熱海仏法学舎でのヴィパッサナー瞑想合宿に参加したので情報共有

熱海仏法学舎でのヴィパッサナー瞑想合宿の情報

 

 

日程と費用

9/16 から 9/20 までの四泊五日、日本テーラワーダ仏教協会(以下JTBAとする)の瞑想合宿に参加してきた。指導者はヤサ長老。費用は1泊×5,000円+3,000円。フルで参加すると23000円。

食事

食事は1日2回。朝7時からと午前11時から。食事の内容は精進料理で、肉も魚も含まれないが、美味しい。ごはんは玄米と白米を選べる。最後の日は玄米ときのこの炊き込みご飯だった。おやつとお茶類は常備されているので小腹がすけばつまめる環境。ただし必ず食事の瞑想を行う。食べる喜びのために、食欲のために食べるという行為ではない。ちなみにこんなに長い間魚も肉も食べずに過ごしたのは物心ついてから初めてではないかと思う。焼肉屋の息子なので、肉のない生活はなかったし、今もそのように過ごしているから。だが、合宿に行くたびに、肉魚は不要なのではないかと感じさせられる。ちなみに卵はある。このあたりの分類は気にしだすときりがなさそうだ。ちなみに、合宿の5日間で1.8キロ体重が落ちた。心だけでなくて、体にとっても健康に良い。

宿泊所

男女は分かれて宿泊する。男性は隣の毘沙門堂で大部屋。10人くらいまで寝られるスペース。女性は食堂のあたりの宿坊。

スケジュール

  1. 初日は2時集合、だが、まあばらばらに勝手に瞑想を始めている。
  2. 朝5時のお勤め(上座部仏教の三帰依文からいくつかのお経を読む)が約30分、続いて慈悲の瞑想をしてヴィパッサナー瞑想。ヴィパッサナーは10+50分。最後に回向の文かな?、そして食事。食事時間は約30分。
  3. 9時からは希望者のためのお坊さんのインタビュー。自分の実践について相談できる。
  4. 11時からは食事のお経をし、食事、食事の時間は約1時間
  5. 夜5時からお経と瞑想。その後男性は風呂。(女性は時間自由?)
  6. 寝るのは自由に。でも5時には必ず本堂に。
  7. 最終日はお昼の後、1時からお勤めをし、最後の瞑想をし、掃除を開始する。掃除が完了したら、尼僧さんの車やタクシーで相乗りして帰る。
というスケジュールだが、寝ている間以外はすべてヴィパッサナー瞑想を行う。

その他 :過ごし方など

また、食事のスケジュールでもわかると思うが、瞑想に特化していて、終始無言を貫く。

今回私はスマホ、本、テレビ(は家にもないが)、その他あらゆるメディアから完全に離れて過ごした。本当に完全に。スマホは目覚ましとしてのみ使用し、機内モードだったので着信もない。眼鏡もかけなかったので久しぶりにかけて頭がくらっと来た。台風の情報もわからず、なにも外界を知らずに過ごした。
なお、このように過ごすようインストラクションはあるが、誰かに監視されるわけでもないので、やろうと思えばSNSに耽溺しながらだって過ごせるだろう。

このような環境で瞑想修行をする。瞑想だけをする。たぶんどんなにさぼって少なくても8時間。平均で10時間から12時間は瞑想をしているだろう。あらゆる時間に気付き(サティ)を保つことができるなら6時間寝たとして、18時間はできることになる(このこと自体は日常生活でも同じなのだが…)

熱海仏法学舎の情報

住所:〒413-0038 静岡県熱海市西熱海町2丁目2
行き方:熱海駅から「笹良ヶ台団地循環」?という路線バス(伊豆箱根バス?)で「成田山」という停留所で降りる。そこからやさしさのない坂道を上り10分程度歩くと仏法学舎につく。が、バスは1時間に2本で、マップを見ながらちゃんと歩けるならば行けるが、方向感覚に自信がない方はタクシーの利用がお勧めだ。熱海駅から1500円前後だろう。

熱海仏法学舎はお年寄りの尼僧がお二人で運営されているので、連絡手段は往復はがきだ。これはこれで乙なものである。当然ウェブにもあまり情報はなく、下記のJTBAのHPのカレンダーが、ネット上で唯一の情報源だ。その他はJTBA会報のパティパダーにのっているくらいか。
http://www.j-theravada.net/

今回の参加者

参加者は13名前後。最後まで残ったのは6名といったところだった。3連休の終わりに帰る人が多い。

最後に掃除をして終えるのだが、掃除はさすがにコミュニケーションを取って動かないといけない場面が多く、自然と会話が始まる。数日間会話をしていないことへの慣れてしまい、私はあまり話したくない気持ちが強かったし、なんだか話すということがとても大変な作業に思えたが、その反動と開放感から爆発的に会話を始めてしまう人もいる。

その流れで、どこから来ているかという話になり、島根、奈良、などから来られている方もいらっしゃった。時折北海道や沖縄はもちろん、スイスやニュージーランドからくる人もいるようだ。

個人的には、このような瞑想センターのより整備されたバージョンができるといいと思っている。在家として生きるならばそのようなことに資する活動をしたいと考えている。

瞑想合宿の効果

私の合宿参加歴は3回目で3回目にして初めてフルで参加できた。過去二回は部分参加だった。なのでやっと瞑想合宿全体について情報を伝えられる状態になった。

瞑想合宿は、短期であるけれども、きわめて純度の高い実験室に入るようなものだ。言ってみれば、宇宙ステーションやカミオカンデみたいなもの。あらゆる日常から離れ瞑想だけを行える。少なくとも、今自分が手にいられるレベルの理解という条件付きで「最高のレベル」まで瞬間的に引き上げることはできる。日々の瞑想のレベル以上のものにはなる。それを維持できるかは全く違う話ではあるが。そうであっても瞑想実践者にとっては願ってもない機会であろう。私も、私なりにいくつかの学びがあった。何か得たものがあるという言葉にはそぐわなくて、捨てたものならいくつかある感じだ。ヴィパッサナー瞑想は捨てる道なのだと思うので。

このように書くとよいことばかりである反面、普段一人で瞑想しているところが常に周りに人がいるため「人の目が気になる」「人のことが気になる」という障害というか、これ自体が修行の要素でもあるが、そういった要素まである。この設定を乗り越えられるとき、つまり、あの場で普段と同じレベルに到達できるとき、それは既に、かなり違うところまで行けていることになる。私個人のことを書けば、帰宅後の瞑想ではラベリングの速度が、体感で2倍くらいになっていた。それくらいの集中力が得られた。得られたというか、集中力を阻害する要素を捨てられた。
 
法話と実践会などへ参加し、瞑想への意欲が高まっているならば、参加を勧める。熱海以外に守谷などでも定期的にある。後ほど、他の合宿場所などの情報をまとめておく。

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